型紙を作る理由

型紙を作る理由

Date : 2011.03.04 permalink
IMG: 型紙を作る理由IMG: 型紙を作る理由

服は複数のパーツから作られているのはご存知の方も多いと
思いますが、それがどのようにして作られ、使われるのかは
業界の方を除いては多くないでしょう。
最終的にはこの服のパーツを縫い合わせて
上着なりパンツなりの形に仕上げていきます。

オーダー服でこのパーツを作るのには大別して2通り
の方法があります、一つは採寸した寸法をコンピューター
に入力して自動的に裁断する方法、もう一つは
紙に線を引き、型紙を作ってそれに沿って裁断する方法。
つまりコンピューターを使って自動的にする裁断と
手作りで作った型紙を元に鋏で沿って裁断という事ですが
コンピューター裁断の場合早くて量産出来ますので
パターンオーダーやイージーオーダーに採用される場合が
多くコストを下げる事が出来ます、コストが下がるのは
それ自体は良い事ですが、採寸時に測った
数値の部分以外は正確に合わせる事が出来難くなっています。

また仮縫い時にも採寸部の調整範囲に制限があり
ますので満足出来る補正が後から出来ない場合が多くあります。
人の体にはあらゆる体型や左右のバランス、
骨格等による癖も影響してきますから
これらを数値化するよりも人の手や目で確かめ
型紙に造形として反映させる方が最良で確実なのです。

そこでテーラー・ラトでは全てのお仕立に於いて一人一人の
型紙を手作業で起したフルオーダーの形式をとらせて頂いて
います、手間が掛かるので時間もコストも増えますが
調整範囲は遥かに広く、ポケットやボタン位置等の
デザインの自由度もイメージした位置に配置する事が
可能になります。またこの型紙を保存する事で
次回から更にバランス良く熟成させる事も出来ます、
このように型紙は服の骨格の元になる部分
を支えていますから縫製技術と並んで
出来上がりに大きく影響します、お客様には見えない部分ですが
着る方に自然に溶け込むような理想的な
服作りが私達の楽しみでもあります。
またこの関連のお話もそのうちに。

  1. LATO 店主のブログ
  2. LATOの仕事
  3. 生地のこと
  4. スーツのこと
  5. オーダーシャツのこと
  6. ネクタイ・靴・小物のこと
  7. お手入れのこと
  8. LATOからのお知らせ