礼服とは西洋の伝統のある規則的なフォーマルとは違い
日本独自の主に冠婚葬祭用として用いられる服の事を指します。
とは言えフォーマルのように細かく制約が無いので
比較的便利に現在まで用いられて来ました。
ただ使用する生地が通常のスーツ地とは違い基本的には
フォーマル用のブラックを使用します、
風合いが艶消しで厳かな雰囲気を出しておりますので
この点が通常のスーツ地とは異なります。
また使用用途を考えると上着のベンツや本切羽等
趣向性のある仕様は避けた方が無難でしょう。
今回の服も三つ揃えですが全体的にはシンプルに様々な場面で
お召し頂き易いように考慮させて頂きました。
このような服はビジネススーツと同様に大切な場面での
道具の一つとしてお薦めでございます。
テーラーラトでは店内で熟練した技術で型紙を起こしてこれを元に仮縫い服を縫い上げます。
2着目以降はこの型紙を使用して再び仮縫いを行いますが、
今回のお客様は前回よりも大きくご体型が変化されましたので上着を最初からお作りさせて頂きました。
ただ一度お作り頂いておりますのである程度のご体型を把握出来ているお陰で調整が少なくて済みました。
このように私共テーラーはお客様のご体型を把握する事も大事な技術として重要視しております、
取得するには経験による年季が必要ですが機械には取って代わる事が出来ませんので
絶やすことなく大切にして行きたいですね。
またこの着せ付けによる仮縫い後は一度服をばらして本縫いの作業に入ります。
テーラーラトでは毎年多くの方に合物用スーツとして重宝して頂いております
英国のミル、ウィリアムハルステッドのスーツ地を
今年は色数のバリエーションを増やしてご用意させて頂いております。
古くからモヘア混紡地作りを得意としたメーカーでのモヘア30%の2PLY(2双糸)で
やや強めの腰で春先から初夏までや秋に着て頂けます。
特筆すべきは出来上がり時に美しいモヘアの発色と堅牢な張りで型崩れを最小限に防いでくれます。
着心地もがっしりとした作りと生地に冷たさがあるので
多少湿気の多い時期にも快適に過ごして頂けます。
また糸が太目なのでモヘア特有の光沢感が控え目で
ビジネスに向いているのも人気の秘密でしょうか、
この織物は他に似織の物が少なく春夏に合う季節感が良く出ていると思います。
お値打ち価格でご提供頂いておりますのでご希望の方はご覧頂ければ幸いです。