そろそろ冬服のご注文は終わりに近づいてきましたが
近頃は出来上がりの納品が続いております。
その中から今回は着る方に溶け込むような自然な仕上がりの
3ピーススーツを掲載させて頂きます。
注目して頂きたいのはジャケットの肩のラインが肩の傾斜に綺麗に沿っている所です、
今回は後ろ姿も掲載させて頂きました(3枚目画像)。
肩回りが合っていると服の重みが分散されて着心地良く着て頂けますね。
また背中から腰にかけて絞り感のあるラインに躍動感があり、
背広の語源に相応しいアングルでもあります。
ベストの丈もバランス良くコンパクトに見えるように
やや短目にお作りさせて頂きました。
全体的にはトラディショナルなビジネススーツですが
服が出しゃばらず着る方にとってストレス無く着て頂ける服は相手方にとっても好印象ではないでしょうか。
テーラーラトではそのような服作りを目指しております。
先日ハリスツイードのヘリンボーン・ダークグリーンの
ジャケットが完成しました。
ハリスツイードと言えば本国スコットランドでは
冬に漁師が着用すると言われる位寒い時期にも
重宝されております。
今年の日本も12月から比較的寒いので
季節的にもご活用頂けるでしょう。
スタイルやユトリ具合はラトの得意としている
ややユトリがありながらスッキリとしたシルエット
でお作りさせて頂いております。
生地も立体的な陰影と相まって深みのある
発色になりました、
この生地は着込んで行く内に柔らかくなって
体に馴染んで来ますので独特の変化も
楽しんで頂けると思います。
テーラーに於いてフルオーダーの作業中の一つに型紙を
補正する段階があります。
当店ではお客様に仮縫い服を着て頂いて調整した箇所を
図面に書き止めそれに従って手作業で
型紙を補正して行きます。
この段階では着る方の体型やお好みのシルエット等にあわせて調整して行きますが、
機械では出来ない人の手による
ユトリ具合やバランス感と言う熟練した
経験によるさじ加減も加えます。
これは寸法等の数字では割り切れない部分で
テーラーの持ち味を加える段階でもあります。
また個人のお好みの違いによる微妙なニュアンスも
人の手でしか加減が出来ないでしょう、
機械化が進んだ現在の量産品とは違ってテーラー本来の伝統的な手法で非常に多くのノウハウが詰まっております。
出来上がりにも左右する重要な作業ですので
テーラーラトでは接客時以外はこのような事に大きく時間を取らせて頂いております。