


今年の10月4日に仮縫い後の補正作業を掲載させて頂きましたが
今回はその前段階の仮縫い中の作業についてご紹介をさせて頂きます。
まず初めに殆どの場合は実際に使用する生地を使って仮に縫った服を着用して頂きます、
画像のように3つ揃えの場合はパンツ、ベスト、上着と順番に
調整を進めていきます。
仕上げの本縫いとは違い仮に縫ってあるだけなので
縫い目を解いたり詰めたりして簡単に調整を進める事が出来ます。
この時縫い目を調整する事は容易なのですがそれにより他への影響や縫い目以外の調整、
本縫い時のアイロン操作による影響等を同時に考えながら進める事に難しさが出てきます。
また調整する側(カッター)は常にお客様の骨格や型紙も念頭に置きながら作業しますので複雑になってきます、
このあたりにもカッターの熟練した技術が必要となってくるでしょう。
また熟練してくるとある程度人それぞれの骨格を把握できるようになってきますので
お客様のお好みや気にされるポイントもつかみやすくなります。
目に見えない人の想像力が必要とされますのでテーラー技術のメリットを最大限に発揮されることでしょう。
今回は製作側がどのように考え仮縫いの作業を進めているかを当店の視点から簡単に説明させて頂きました、
テーラーで仮縫いの機会がある方はご参考にして頂ければ幸いです。
ご体格のやや大きなお客様のスーツが完成しました。
生地はドレープ感のある柔らか目の物でソフトなあたりで
最初から馴染みの良い着心地が特徴的です。
またテーラーの服をお作りに際し良くある事ですが
同じ方でも年月が経つと生地のお好みが変わって来ることがあります。
例えば若い時は確りした腰のある生地が
段々と柔らかくて軽い目の物に変更される場合もあります。
ご本人様しか分からないと思いますが体に感じる
負担感等に違いがでてくるようです。
またご体型だけでなく当店は生地の特性により
各部の補正を変更もさせて頂きます、
着る方にとってベストな服になりますように。




今回は着せ付けによる仮縫い後の補正または調整作業について一部をご紹介させて頂きます。
またこの作業はフルオーダーについては仕上がりを左右する重要なポイントでもあり
機械では出来ない人の経験と手によってのみ調整可能になっております。
それでは画像順に沿ってご説明させていただきます。
〇画像一枚目:スーツ上下の着せ付けによる仮縫い作業になります、
この時点で必要な修正箇所にピンを打ったり躾糸を解いたりして調整しますが
必要があればお客様にもご意見やご希望をお聞きしたりします。
〇画像2枚目:最初にお客様専用にお作りしておいた型紙になります、
この型紙で生地を裁断して画像一枚目の仮縫いをしております。
〇画像3枚目:画像一枚目の仮縫いで調整した箇所や修正が必要な箇所を型紙に反映させて調整します、
この場合は一部分切れ込みを入れておりますが修正方法や箇所は多岐に渡ります。
これによりお客様の体型や骨格に合わせると同時に着心地やデザインも考慮に入れて行きます、
テーラーの経験や持ち味が反映される重要なポイントになってきます。
〇画像一枚目の仮縫い服を解きアイロンで伸ばした生地のパーツに画像3枚目で修正した型紙を置いて線を引いて行きます。
この引いた線が縫製職人により正確に縫われて仕上がりの服となって行きます、
いわゆる本縫いと呼ばれていますが
この段階でも特に手縫いであれば他にもアイロンによる癖取りや芯地の調整等色々と工夫を加えて行きます。
今回は以上ですが今回は普段あまり目にされる事がないと思いますが仮縫い後の作業中の一つを掲載させていただきました、
この作業は当店のマシンメイドでも同じ段取りを組んでおります、
今後フルオーダーをご検討させる方には参考にして頂ければ幸いです。