今回はロンドンの老舗マーチャントBateman Ogdenの
モヘア混紡スーツ地をご紹介致します。
近年再び夏向きの生地として清涼性を追及した
モヘア生地が復活してきました、
美しい光沢と湿気に強い張りがあるので
ビジネス等の実用に非常に適しております。
1枚目の画像はトニック織りと呼ばれている肉厚があり
がっしりした仕立て栄えと耐久力があります。
2枚目の画像は平織りのモヘア混紡スーツ地で
盛夏用として清涼性抜群のものです、
これにピンストライプやオルタネイトストライプ等
色柄も豊富で選べる楽しさもあります。
3枚目の画像の生地は少し特殊でウール・モヘア以外に
トラベラ(化繊)入りになります。
過去にも化繊入りの生地は多く出回っていましたが
現在の物はソフトで、体に馴染みやすく
耐久性と上品な光沢があるので良く出張される
ビジネスマンに向いていると言えます。
これらのようにモヘア混紡生地も織り方や配合率、
ウエイト、により使い分けて頂くと
快適な夏の装いになります。
ワイドな衿にややショート丈の上着、
スラントポケットも付けて乗馬服のような
雰囲気になりましたが、襟付きのベストを合わせて
クラッシックな服装になりました。
使用した生地はホーランド・シェリー(英)の
グレンチェックとウィンドウペンの複合柄により
明るい目の発色で重たくなり過ぎず
軽快な感じではないでしょうか。
今回は事前にお客様との打ち合わせで胸元に
ポイントを置いてほしいとのご要望でしたので、
ベストと衿のバランスが調和するように
お仕立てさせて頂きました。
今年も多くの春夏生地が揃いました、
その中で春から初夏にかけてお奨めの生地を一部
ご紹介させて頂きます。
1枚目の画像はモヘア混紡のスーツ地で2PLY(2つ杢)
の糸を使っていますので強い張りと清涼感があります。
3PLYよりは軽くて薄いのでこれからの
暖かい季節にはちょうど良い具合で、
ウイリアム・ハルステッド(英)が作る
この生地は素晴らしい発色のブルーグレーで
格別の品質を誇っています。
2枚目と3枚目の画像はフレスコ織りのスーツ地で
強撚糸を使っていますので目が粗く、
ザックリとした風合いが特徴です。
その為に通気性が良く、張りと腰もあるので
暑い夏にも皺になり難いのも特徴です、
以前から春夏には安定した人気の生地で
一昔前はポーラとも呼ばれていました。
2枚目は老舗マーチャントのウェインシール(英)、
3枚目は最高級の品質で作り続けている
ミルのウッドハウス(英)の物で
どちらも世界のテーラーから厚い信頼をおかれています。
4枚目と5枚目の画像は黒と紺色の柄が比較的
細目のシャドウストライプです。
最近人気のある折柄の一つで遠目から見ると
無地に、近くから見ると柄が見えて
光の当たり方にもよって表情を変えたりする所に
奥深い味わいを見せてくれます。
またこれにモヘア混紡させるとより清涼感が出て
夏向きになってきます、
どちらも素晴らしい仕立て栄えをする生地ですが、
特に5枚目のH・レッサー(英)は良い張りと腰のある
絶品物です。