今回はザックリとしながら柔らかいボリューム感のある
ビンテージ物と、入荷したばかりのハリスツイードの
ブラックウォッチをご紹介させて頂きます。
まずは1枚目画像のドーメルの千鳥格子、
これはシングル巾(75cm)と言いまして手織りによって
作られました。
現在ツイード系も含めてほとんどの生地は機械織りの為に
巾がダブル巾(150cm)が主流です。
このツイードはスコットランドの漁師町のような所で
冬の荒れた海に出られない間にコトコトと
家内工業的に織られた数少ないツイードの一つになります。
とりわけ特徴的なのは天然の草木による染付けで
全体的にはグリーンに見えますが、
近くで見ると赤や青、ねずみ等複数の色が混じって
奥行きのある発色をしております。
また機械織りに比べてボリューム感があるので
ツイード本来の味わいのあるジャケットになると
思います。
また2枚目の画像のハリスのブラックウォッチは
対照的で大き目の柄ながらすっきりとした
都会的な印象を持っています。
ビジネスにお使いの方にも押しが強い柄では無いので
お奨めのジャケット地です。
それと手織りのツイード地は他にも複数ございますので
ご興味もある方は是非ご覧になっては如何でしょうか?
これからの季節、街中を散策される方にも
ご旅行に行かれる方にもピッタリの装いだと思います。
今日は少し特徴のある秋冬のスーツ地の
ご紹介をしたいと思います。
1枚目の画像は英国の名門ミルMinovaの
紺無地スーツ地で、表面がサメの肌のような織り模様と
少し光沢のある感触をしているので
テーラーの間では昔からシャークスキンと呼ばれてきました。
生地の耳には
"THE TRADITIONAL TAILOR's YARN COUNT 52/2"
と入っていますが52/2とは52番手の糸を2本絡ませて
使っている為に実用的な耐久性と張りの有る
美しい仕立て栄えがします。
またこのシャークスキンの生地はテーラーの全盛期の
1960年代から1970年代にかけてよく市場に出回って
いた生地です、実用にも向いていますので
定番的なスーツ地だったのでしょう、
THE TRADITIONAL TAILOR's とはそういう意味
だと思います。
そして2,3枚目の画像は1899年創業、英国ハダースフィールドの老舗ミルであるSavile Clifford。
名門ミルや一流マーチャントとの関わりも深く、英国の伝統と独創性を継承しています。
腰が硬すぎず柔らかすぎずちょうど良い風合いで
ストレッチ性もありますので非常に動きやすい
特徴を持っています。
どちらも色違いで2枚目画像のブラックウォッチは
基本は紺系のチェックで、遠めに見れば無地にも見える
渋目の柄になります。はっきりした柄は避けたいけれど
落ち着いた柄をお探しの方にはお奨めです。
3枚目画像はチョコレートブラウン、かなりダーク系なので
派手さは無くビジネススーツとしても向いています、
季節感も秋冬には向いていると思いますね。
これからの季節お出掛けの1着には如何でしょうか?
特に茶系をお探しの方にはお奨めでございます。
※フィッティングに関しまして
テーラー・ラトでは
基本的に全ての縫製に仮縫いをお付けしておりますが、
フルオーダー・スタンダードより上のお仕立てグレード
に関しましては必要に応じて2回目の仮縫いをさせて
頂く事があります。
特に初めてオーダー頂いた方では2回仮縫いをさせて頂く事が
あります、当店ではフルオーダーならではの質の高い
お仕立を目指しておりますので
この場合も追加料金は頂いておりません。
2Ply(2双糸)のフレスコ(1枚目と2枚目の画像)
は確りした腰を持ち、
暑い時期に涼しさとスーツ本来のボリューム感のある
装いを実現してくれます。
特にフレスコの商標を持っているマーティンソン社は
長年フレスコを主力商品として作り続けてきました、
一般的にはポーラと昔から呼ばれていますが
艶の無いざっくりとした風合いは落ち着いた風格で
ラフな感覚のジャケットやパンツにも良く合いますので
ボタンの変更やパッチポケット等にされても
宜しいのではないでしょうか。
また3枚目の画像は今年からお取り扱いを増やしました
ウィリアム・ハルステッドは英国ヨークシャーの
老舗ミル(織元)で南アフリカの高級なモヘアを使った
生地作りを得意として来ました。
近頃はこの画像の商品のように織り方を工夫した
技術で防水性を高めた生地も新たに出て来ました。
4枚目の画像は同社のモヘア混紡のギャバジンで
ビジネス向きとしては特にお奨めです。
以前のスーツ(1960年代頃)には良く見かけた生地でした。
コート等にも良く使われていましたので
摩擦にも強く実用的な生地として、
またエレガントな風合いも持ち合わせていますので
合理的なスーツ地とも言えますね。
この生地は2/2Twill、縦糸を2倍にした
織りによって皺に強く、モヘアを混紡させる事で
夏向きに着て頂けますお奨めの一品です。
今回ご紹介させて頂きました生地は一部ですが
他にも様々な色柄が揃っておりますので
宜しければ手にとってご覧頂ければ幸いでございます。