先日スキャバルのスーツ地を裁断しました。
とても上質な生地なので鋏をいれても
なめらかな切りごたえがあります、
目付のバランスと糸の質が良いのでしょう。
このような生地は長年の着用による型崩れも少なく
仕立て映えも大いに期待できます。
英国最初の生地マーチャントWainShiellのヴィンテージ生地になります。
注文服全盛期のもので重厚さと腰の柔らかさを兼ね備えた
理想的な生地作りをしておりましたが
近頃は合理的な生産性を取ることが多いので
このような生地を見ることは少なくなりました。
いわゆる仕立て映えする生地というのでしょうか、
我々見慣れているテーラーの目にも非常に魅力的に映ります。
先日初めての方の仮縫いをさせていただきました。
前後左右の骨格やバランスを補正する必要が
多分にありましたのでご体型をカバーしながら調整いたしまた。
肩のラインも肩パットで左右均等になるよう調整しております。
ちなみに画像は完成形ではありません、
ピン打ち等以外にも目視で確認しながら補正を加えて行きます。
またご本人様は比較的ゆとりのある服がお好みとの事でした。
この後は一度服をばらして型紙に補正を加え生地に線を引き直していきます。
時間と手間は掛かりますがこれは本来テーラーの作業手順として非常に重要なポイントになってきます。