今日は少し特徴のある秋冬のスーツ地の
ご紹介をしたいと思います。
1枚目の画像は英国の名門ミルMinovaの
紺無地スーツ地で、表面がサメの肌のような織り模様と
少し光沢のある感触をしているので
テーラーの間では昔からシャークスキンと呼ばれてきました。
生地の耳には
"THE TRADITIONAL TAILOR's YARN COUNT 52/2"
と入っていますが52/2とは52番手の糸を2本絡ませて
使っている為に実用的な耐久性と張りの有る
美しい仕立て栄えがします。
またこのシャークスキンの生地はテーラーの全盛期の
1960年代から1970年代にかけてよく市場に出回って
いた生地です、実用にも向いていますので
定番的なスーツ地だったのでしょう、
THE TRADITIONAL TAILOR's とはそういう意味
だと思います。
そして2,3枚目の画像は1899年創業、英国ハダースフィールドの老舗ミルであるSavile Clifford。
名門ミルや一流マーチャントとの関わりも深く、英国の伝統と独創性を継承しています。
腰が硬すぎず柔らかすぎずちょうど良い風合いで
ストレッチ性もありますので非常に動きやすい
特徴を持っています。
どちらも色違いで2枚目画像のブラックウォッチは
基本は紺系のチェックで、遠めに見れば無地にも見える
渋目の柄になります。はっきりした柄は避けたいけれど
落ち着いた柄をお探しの方にはお奨めです。
3枚目画像はチョコレートブラウン、かなりダーク系なので
派手さは無くビジネススーツとしても向いています、
季節感も秋冬には向いていると思いますね。
これからの季節お出掛けの1着には如何でしょうか?
特に茶系をお探しの方にはお奨めでございます。
※フィッティングに関しまして
テーラー・ラトでは
基本的に全ての縫製に仮縫いをお付けしておりますが、
フルオーダー・スタンダードより上のお仕立てグレード
に関しましては必要に応じて2回目の仮縫いをさせて
頂く事があります。
特に初めてオーダー頂いた方では2回仮縫いをさせて頂く事が
あります、当店ではフルオーダーならではの質の高い
お仕立を目指しておりますので
この場合も追加料金は頂いておりません。
2Ply(2双糸)のフレスコ(1枚目と2枚目の画像)
は確りした腰を持ち、
暑い時期に涼しさとスーツ本来のボリューム感のある
装いを実現してくれます。
特にフレスコの商標を持っているマーティンソン社は
長年フレスコを主力商品として作り続けてきました、
一般的にはポーラと昔から呼ばれていますが
艶の無いざっくりとした風合いは落ち着いた風格で
ラフな感覚のジャケットやパンツにも良く合いますので
ボタンの変更やパッチポケット等にされても
宜しいのではないでしょうか。
また3枚目の画像は今年からお取り扱いを増やしました
ウィリアム・ハルステッドは英国ヨークシャーの
老舗ミル(織元)で南アフリカの高級なモヘアを使った
生地作りを得意として来ました。
近頃はこの画像の商品のように織り方を工夫した
技術で防水性を高めた生地も新たに出て来ました。
4枚目の画像は同社のモヘア混紡のギャバジンで
ビジネス向きとしては特にお奨めです。
以前のスーツ(1960年代頃)には良く見かけた生地でした。
コート等にも良く使われていましたので
摩擦にも強く実用的な生地として、
またエレガントな風合いも持ち合わせていますので
合理的なスーツ地とも言えますね。
この生地は2/2Twill、縦糸を2倍にした
織りによって皺に強く、モヘアを混紡させる事で
夏向きに着て頂けますお奨めの一品です。
今回ご紹介させて頂きました生地は一部ですが
他にも様々な色柄が揃っておりますので
宜しければ手にとってご覧頂ければ幸いでございます。
今回はロンドンの老舗マーチャントBateman Ogdenの
モヘア混紡スーツ地をご紹介致します。
近年再び夏向きの生地として清涼性を追及した
モヘア生地が復活してきました、
美しい光沢と湿気に強い張りがあるので
ビジネス等の実用に非常に適しております。
1枚目の画像はトニック織りと呼ばれている肉厚があり
がっしりした仕立て栄えと耐久力があります。
2枚目の画像は平織りのモヘア混紡スーツ地で
盛夏用として清涼性抜群のものです、
これにピンストライプやオルタネイトストライプ等
色柄も豊富で選べる楽しさもあります。
3枚目の画像の生地は少し特殊でウール・モヘア以外に
トラベラ(化繊)入りになります。
過去にも化繊入りの生地は多く出回っていましたが
現在の物はソフトで、体に馴染みやすく
耐久性と上品な光沢があるので良く出張される
ビジネスマンに向いていると言えます。
これらのようにモヘア混紡生地も織り方や配合率、
ウエイト、により使い分けて頂くと
快適な夏の装いになります。