スコットランド北西40キロの洋上北緯58度線をはさんでハリス島を含めた諸島が有ります。海岸は荒波の浸食により所々断崖絶壁で、陸には美しい丘と綺麗な水をたたえた湖沼が多く存在しますがここはごく一部の樹木が有って一年の大半は嵐が吹きまくり非常に暮らしにくい場所だそうです。
元々は農地が乏しくて島民は漁獲で生計を立てていましたが、自給自足のこの島では石を集めて家を作り、マラオンを取って魚網を編んでいました。
当然着る物も自然と羊毛を糸にし、織物にしていたのも不思議では有りません。
そしてこの布地は発祥し、作り方は他から学んだのではなく
全て島民の創作によったものでした。
ここの羊はへブリアン・ブラック・フェイス種と言う種類の羊で
通常のブラック・フェイス種と違うところはウールとヘアーが荒々しい風土の影響で同じ長さに伸びるそうです。
このウールは風合い、色調、耐久性、保温性等ツイード向きとして極めて優れています。
前置が長くなりましたがハリスツイードの新柄地を
新入荷しました。
画像の生地は洒落た千鳥格子の柄ですが、無地系でも
タッターソール地のベストとも相性が良くて(4枚目の画像)
お洒落な装いを楽しめ、寒い冬にも高い保温性があります。
最初はザックリとした風合いですが着て行く間に
柔らかくなり体に馴染んで着易い服に
変化して行くのも楽しみの一つです。
色柄も益々増えていますので様々な着こなしを
お楽しみ頂けるでしょう。
近年、肉厚の有るしっかりとした
スーツ地のバリエーションが増えてきました。
その中から 今回はスコットランドの老舗マーチャント
Innes ChamnersのClassic Worstedsをご紹介致します。
上質なツイル地(綾織)にスタンダードで伝統の柄、
へリンボーン、バーズアイ、ピンストライプ、
チョークストライプ、
グレンチェック、ハウンドストゥース(千鳥格子)等
ビジネススーツとしても相応しい物になっています。
何よりも400gとボリュームの有る肉厚なので
迫力の有る仕上がりと堅牢な耐久性を誇るスーツ
になるでしょう。
J&J MINNISはロンドンでジェームズエグバートミニスによって
1874年に創立された高級生地商社です。
1902年に本拠地をサビル・ローに移し、1919年には
日本に初めてサビル・ローの服地を紹介しました。
先日ご注文頂きました写真の秋冬のスーツ地は
3PLY(三つ杢)の素材を使い腰が有りますと同時に
良い風合いの柔らかさも持っています。
現在では少なくなってきた霜降り柄
の部類に入る柄ですが奥深い発色を楽しめる
スーツになることでしょう。